二人がハンバーガーショップを出た事を見てすぐに近づく二人の護衛。

「ザザ、申し訳ないがペットボトルのジュースを買いたいから、車に先にアザム君を乗せておいてくれないか?」
「OK! さあ行きましょうか? アザム坊ちゃん」
 
 どういうことかすぐに護衛二人は理解し、ガルナよりは人当たりがまだ良さそうと判断したザザに頼む。
 
 そう言われ先に車に乗り込むアザム。

 小さなスーパーで飲み物を買い、暫くしてから戻ってくるレイ。

 車に乗り込み皆で地図を確認する。

 「ここからあと夕方過ぎまでに帰れる地域はこの丘かな……余りに遅くなっては社長も心配するでしょうし」
 
 他にも行きたい場所はあっただろうが、レイに言われ頷くアザム。
 いろいろな思惑があり、この丘に行くことは最初から決まっていた。取引場所からそう遠くなく、時間にも十分間に合うからだ。
 
 その丘まで車を走らす。広大な景色ばかり目の前に広がっている。
 車を走らせていると途中でアザムがレイに言う。

「レイさん、ジュース飲みたい……」

 先ほど食べたハンバーガーの味が濃かったためか、しばらくして飲み物を欲しがる。

「暫く店が無いので、オレンジジュースなら買っておきましたが飲みますか?」