ギャラマサはぐるりと首を曲げ、アンテナ少女の後姿を数秒見送ったが、すぐにこちらに向き直り、俺たちを発見した。

そして、俺たちの目の前まで歩いてくると、

「俺は、神奈川でいいと思ってる」

と、意味不明のセリフを吐いた。

「はあ」

俺の口から、なんとも言えない返事がもれた。

いや、なんとも言いようがないのだから仕方が無い。

「俺は、地球の、日本国、神奈川県にやってきたのだ」

何言ってんだ・・・?

どうしていいか分からず、俺は無言で頷いた。

ギャラマサは酸素ボンベを咥えると、「スー」という呼吸音を静かに響かせながら、俺たちの横を通り過ぎて行った。