そう言うのって全然分かんない…。

そのまま一臣君に頭を撫でられていたあたしは完全に油断していた。

ここがお化け屋敷だって事、泣きたくなるくらい分かってたのに…。



トントン

一臣君にされるがままだったあたしはトントン、と誰かに肩を叩かれて、心の準備も全くせずに振り向いた。

すると、


「………っ」


いかにも幽霊ですって感じの青白い肌に長い黒髪を持つ、うつろな瞳をした人が立っていた。


「や、やだぁ!!」


あまりの恐怖と驚きに、あたしはもう大混乱。

無意識に一臣君に飛びつく。

そんな、あたしの反応に気をよくしたらしい幽霊の人は


「あ"ぁ"…」


とか言って、あたしに触れないギリギリの所まで手を伸ばして来る。


「うわ"ぁーん!来ないでー!!」


大混乱しているあたしはもう半泣きどころじゃなくて、

本気泣き。