でも、ウサギ欲しかったし、
そう言う計算は得意じゃないし…。
失敗しちゃったなぁ、なんて思っていたら、一臣君が
「あのウサギは?」
と景品が置いてある棚を指さした。
「あれは、その子が持ってるウサギの片割れだよ。あれも三発連続で真ん中に当てるとプレゼント出来るけど、する?」
「じゃあ、します」
係員さんに聞かれた一臣君は笑顔で頷く。
「はい、どうぞ」
あたしの時と同じようにゴムの弾を三発分渡された一臣君は、おもちゃの銃にセットした後、的を真っすぐに見つめた。
「………っ」
一臣君のその表情と一瞬で変わった空気に思わず心臓がドキリと音を立てる。
だって合同練習の時に見惚れてしまったあの時みたいな感覚に陥ってしまったから。

