一臣君と二人で手を繋いで園内を周ってると、見つけた射的。
そこには、あたしの好きなウサギのぬいぐるみがあって、思わず欲しくなってしまった。
「あの、一臣君」
「何?」
「あれ、いい?」
射的の方を指さすと、一臣君があたしの指の先に視線を移した。
「射的すんの?」
「うん。あのウサギが欲しくて」
「じゃあ行く?」
「うん!」
ー…
………
「はい、三発分ね」
射的の所の係員のおじさんに渡された三発分のゴムの弾。
それをおもちゃの銃に一つ入れて、あたしは的を狙う。
弓とは違うけれど、的は的。
部活の時みたいにあたしは集中する。
三発全部を真ん中に当てたらウサギ。
絶対に当てる。

