ー…
………
「…大丈夫か?」
「………」
ふら、と眩暈がしたと同時にさりげなく支えられた腰。
ふらふらし過ぎてその手にドキドキどころじゃないあたしは目の前のみっちゃん達を見て、無言になってしまう。
みっちゃん達、なんでこんな元気なんだろう。
「…大丈夫?」
「………」
みっちゃんに心配するように顔を覗き込まれて、あたしはゆっくりと頷く。
大丈夫じゃないけど、大丈夫。
遊びに来たのに心配させる訳にはいかない。
「あたし、待ってるからみっちゃん達は行って来て?」
「香澄の具合が悪そうなのに一人に出来る訳ないでしょ」
あたしも残る。
そう言ってくれたみっちゃんに大丈夫だと言う意味を込めて首を振ると
(…う、気持ち悪い)
今度は気持ち悪くなった。
「俺が見てるから、そっちは行って来い」
「え?でも、香す…「香澄ちゃんは一臣に任せておけば大丈夫だから、みっちゃんは俺達とガンガン遊ぼう?」
心配してくれるみっちゃんの言葉を遮った武君に
「友達そっちのけで、遊べる訳ないでしょ?」
みっちゃんがそう返すと、武君がみっちゃんの耳に手を宛てて、ごにょごにょと何かの内緒話を始めた。
「あ、そう言う事」
武君に何か言われたみっちゃんはフムフムと頷いた後、何故かチラリとあたしに視線を移して、そのまま視線を横に移動させた。
「???」
一体なんだろう?
首を傾げたら、またくらりと眩暈がした。
その間に
「えーと。香澄をよろしくね?一臣君」
みっちゃんはそう言って、次のアトラクションに向かった。

