他校の君。【完】



「香澄?」

「…う、うん?」


ぐるぐるとそんな事を考えていたら、一臣君に呼ばれて、あたしは慌てて顔を上げた。


「行かねーの?」

「……へ?」


どこに?

そう続けようとしながら周りを見ると、既にみっちゃん達が歩き始めてる。


(って、どこにじゃないよね)

遊園地に来てるんだから。


「何乗るの?」

「ジェットコースター」

「いきなり?」

「いきなり」

「一発目から飛ばすね」

「…だな」


苦笑しながら歩き始めた一臣君に手を引かれて、あたしもジェットコースターに向かって歩き出した。