Side 香澄


「あれ…?」


皆の後ろを着いて行ってた筈だったんだけど、よそ見してたら


「はぐれちゃった?」


どうやら一瞬ではぐれちゃったらしい。


「えと、携帯」


みっちゃんにメールをしようと鞄に手を入れると鞄の中から着信音が聞こえた。

ピッ


「もしもし?」

『香澄?今どこ?』


携帯から聞こえるのはみっちゃんの声。


「えーとね…」


キョロキョロと周りを見回していると、


「少しは慌てろ!!」


背後から誰かに腕を掴まれた。


「わっ」


突然の事にびっくりして、後ろを振り返ると、


「あ、一臣君」


一臣君が呆れたような表情を浮かべて立っていた。