他校の君。【完】





雪がまさかあたしをだなんて全く考えてもいなかったから、あたしは何をどう言葉にしたらいいか分からない。

雪の事は好き。

好きだけど、でも…。

それは幼なじみとして、友達として好きな訳で…。

前までなら今のこう言う状況になっても絶対、雪の好きの意味に気づかなかった。

けど、一臣君が好きだと言ってくれた時みたいな瞳を雪はしてるから…。

だから…。


「……。やっぱ、俺だと困った顔するんだな」

「え?」


ー…困った顔?

全く言葉に出来ないあたしに雪は、ふ、と苦笑した。


「香澄が何て答えるかは分かってるんだよ。…けど、さっきも言ったみたいに、諦められなかった」

「………。」

「だから香澄に言って、自分の気持ちに区切りをつけたかったんだよ」


困らせてごめん、と謝られたあたしはフルフルと首を振った。