他校の君。【完】



ー…
………

そしてそして。

あっと言う間に学園祭が終わって、もうすぐ後夜祭が始まる。

生徒会メンバーによるバンド演奏が行われると言う事で、後夜祭からは自由参加にも関わらず沢山の生徒が残っている。

ちなみにお昼にミスコンで上位になった人達はほとんど知らない人だった。

生徒会長だけは分かったんだけど…。

他の人達はもしかたら先輩達ばっかりだったのかも。

だから分からなかったのかなぁ?

あ、でも。

一学年一学年、人数が凄く多いから、あたしが覚えてないだけかも。

お昼の事を思い出しながら、後夜祭が行われる会場じゃなく、教室の自分の席に座り、足をぶらぶらさせてみた。

雪、まだかなぁ。

後夜祭の時に話があるって言ってたから待ってるんだけど…。


「うーん…」


何の話なのかなぁ?

ポケットから携帯を取り出しながら、何気なく眺めていると、

チャララ~

と携帯が鳴った。


「あ、メールだ」


メールが来たからボタンを押して開いた。

送り主は一臣君。

送り主をジッと見てから思わず口元を緩めてしまった。

そしてそのままの表情で内容を読み始めると、


「待たせて悪い、香澄」


雪が教室に入って来た。