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「も、もう食べれないよ…」
あっと言う間にお腹がいっぱいになっちゃったあたしは、校庭に用意された椅子に座りながらお腹を抑えた。
みっちゃんにつられて食べ過ぎちゃった。
そんなあたしとは違ってみっちゃんはまだまだと言う感じ。
余裕さえ見えるのはあたしの気のせいかな?
(ううん)
気のせいじゃないや。
たこ焼きとか、さっき買うって言ってなかったフランクフルトとか、その他にヤキソバを平らげたみっちゃんは『ごちそうさまでした』と手を合わせてから、ここから見える特設会場に視線を移した。
「ミスコン、香澄も出れば良かったのに」
「あたしには無理だよ」
ブーイングされちゃうよ、きっと。
「そうかなぁ?可愛いと思うんだけどなぁ」
「そんな事ないのっ」
首を傾げたみっちゃんの方があたしなんかより遥かに可愛い…と言うか美人さんだと思う。
特設会場を眺めながらそんな事を考えていると、
「香澄は…一臣君の事、好き?」
突然そんな事を聞かれた。
「そ、そりゃあ、もちろん」
好きだよ?
「そっか。」
「うん!」
コクンと頷いたあたしをみっちゃんはチラリと見ながら言葉を続ける。
「きっかけとかあったんだよね?」
「う、うん」
あったよ、きっかけ。
「中学の時にね?あたしの定期を拾ってくれたの」
ついこの前は生徒手帳を拾ってくれた。

