他校の君。【完】



けど、でも。

照れていいなんて堂々と言われたら、照れ方すらも分からなくなってしまう。

こんなんじゃ、この先身がもたないかも。

ウサギの手をパタパタさせながらそんな事を考えていると、


「だから慣れればそんな事ねーよ」


とあたしの考えてる事が分かってるような凄いタイミングでそんな事を言われてしまう。

一臣君ってエスパー?


「違う」

「じゃあ…」


なんでわかるの?


「声。」

「………へ?」


声?


「身がもたないって、声に出てた」


だから分かったんだよ、と笑った一臣君とは反対にあたしはひきつってしまう。

だって、だって。


(声に出しちゃってたの?)


心の中で思ってた筈なのに。


(…あたしって恥ずかし過ぎる)


キャッー!と心の中で叫びながらウサギのぬいぐるみに顔を埋めたら、


「次は?」


その言葉と共に、一臣君が愉しそうに笑ってる声が聞こえた。