他校の君。【完】



変な計算をしつつ香澄の手を握りながら、校内を案内してもらった。

いくら姉妹校とは言え、外見だけでなく中も違うから不思議な気持ちになる。

こんな風になってるのかと感心しながら歩いていると、香澄の友達らしき女子に会った。

『みっちゃん』では無い。

香澄達の会話を大人しく聞いていると、香澄の友達が『ゆ』と言いかけて言葉を別のものに言い換えた。

けれど、なんとなく誰の事を言おうとしたのかが分かる。

雪。

ー…海谷、雪。

あいつの気持ちは色んなヤツが知ってるって事か。

それを周りの人間は暖かく見守っている、みたいな。


(………。)


はっきり言って面白くない。

けど仕方ない。

あいつの方が俺より先に香澄と出会ってんだから。

分かってはいるんだけどな。


「………」


一人嫉妬していると、


「うん、一臣君って格好いいよね」


香澄に格好いいと言われてしまった。


「………」


今度は別の意味で無言になってしまう。

好きな子に格好いいって言われたら、嫉妬が少しおさまった。

俺、単純だな。