言われた事が分からないながらも、目の前の男の子じゃなくて聞き覚えのある方の声に意識も視線も向けてしまう。
だってこの声、あたしの大好きな一臣君の声なんだもん。
あたしの視線が一臣君に向ききる前に後ろから伸びて来た腕があたしを引き寄せて抱きしめる。
ドキンッと一人ときめいてしまうと、
首筋に温かい感触とチュッと言う音が聞こえた。
「………へ?」
何が起こったのか分からないあたしの視界の先で男の子が驚いたような表情を浮かべる。
そしてそこから一臣君へと視線を移すと、一臣君はにっこりと笑ってから、男の子に視線を向けた。
そして、
「香澄は俺の彼女だから、諦めろ」
男の子をジロリと睨んだ。
それを見たあたしは、
「???」
ますます何が何だか分からなくなってしまった。

