今から一臣君に会わなきゃ行けないし、早く会いたいから、あたしは『時間が空いてる』とは言えずにしどろもどろになってしまう。
はっきり時間が無いっていいたい所だけど、なんだか相手の人が切羽詰まってるって言うか、必死って言うか、あんまり余裕なさそうに見えるから断わりにくい。
何か大切な事でもあるのかなぁ?
「あ、ごめん。すぐ終わるから」
「すぐ?」
「うん、すぐ」
すぐなら大丈夫かも。
コクンと頷くと、男の子は緊張したような表情に変わった。
「あの」
「はい?」
「俺、入学した時から高城さんの事いいなって思ってて」
「う?うん」
何がいいと思われたのかはよく分からないけれど、取り敢えずこくん、と頷く。
だって、なんだか話の腰を折っちゃダメな気がする。
「もしよかったら」
「うん?」
「俺と」
「うん」
「付き合「無理だから」」
「………へ?」
話を聞いていたら、目の前の男の子の声と、聞き覚えのある声が重なって、男の子が何て言ったのか聞こえなかった。

