ー…
………


「おはよう、香澄」

「…お、おはよう」


途中の駅で一臣君と別れて学校に着いた。

下駄箱で靴を履き替えているとみっちゃんが少し遅れて到着した。

おはよう、と返事をしたあたしを見たみっちゃんが


「…どうしたの?」


驚いたような表情を浮かべる。


「え?なんでも」


ない事は無いんだけれど。

おでこにチュッってされたなんて口には出せない。


「嘘。なんかあったんでしょ?あ、分かった。キスでもした?」

「………っ」


一瞬で動揺したあたしをみっちゃんがニヤニヤと見つめる。


「へー、一臣君って手が早いんだねー」

「ち、違うよ!一臣君の手は早くないよ!」


ただおでこにチュッってされただけで、

された…だけで…


そう考えただけで頭の中に朝のおでこにキスされた時の事がフラッシュバックして、


「………っ」


心の中で叫んでしまう。

すると、


「香澄、ドキドキし過ぎると疲れるよ?」


みっちゃんにクスクスと苦笑されてしまった。