口を真っ直ぐに引き結び、俺の言葉に眉をしかめた海谷は、『まあ、いいか』と溜め息を吐く。
「どうせ今だけだろうし。ー…言っとくけど、香澄が杉沢と付き合ったからって俺は諦めないから。今まで近くにいたのは俺だったし、他校にいるあんたと違ってこれからも俺は毎日香澄と一緒にいられる。香澄に何かあった時も傍にいるのはあんたじゃなくて俺」
因みに今から香澄ん家、と言った海谷が勝ち誇ったような表情を浮かべる。
そんな海谷にかなり嫉妬する。
(ってか、)
俺が香澄の側にいられる時間が少ないって事ぐらい、言われなくても分かってる。
その事で心配だってしてる。
それで焦って告白もした。
それは香澄を信じてないとかそんなんじゃなくて、
「……好き過ぎるんだよな。香澄の事が」
だから心配になる。
思わずボソリと呟いてしまうと、
「なんで俺に言うんだよ!」
海谷が赤くなって怒り出した。
「いや、別に海谷に言った訳じゃねーんだけど」
「お前なぁっ!」
「何だよ」
「………。あー、もう!杉沢なんかもう知らねー、じゃあな!」
「…お、おー」
何故かじゃあな、と言われて驚いてしまっている間に海谷は肩を怒らせて俺から離れて行った。

