他校の君。【完】




「何、何~?彼氏と二人だけの世界作っちゃって~。もう幸せ全開じゃない」


ニヤニヤ、ニヤニヤと玄関先であたしに抱きついてくるお姉ちゃんにあたしはたじたじ。

そんなお姉ちゃんの後ろには、お姉ちゃんを送って来てくれたらしいお姉ちゃんの彼氏さんが苦笑している。

こんばんは、と小さく頭を下げると、彼氏さんがこんばんは、と言ってお姉ちゃんを引き剥がしてくれた。

あたしから引き剥がされたお姉ちゃんはキラキラした瞳であたしを見つめる。

彼氏さんに引き剥がされた事は全然気にしてないみたい。


「明日迎えに来るから、ってあの子どこに住んでるの?」

「………!!」


あたし達の会話を普通に聞かれてしまっていた事に思わず声にならない声で叫んでしまう。


「お、お姉ちゃん!聞いて」


たの!?


「聞いてた」

「ど、どこで」

「あそこ」


あそこ、とお姉ちゃんが指差したのは家の隣にある曲がり角。


「え?え?」

「曲がり角はかなり注意が必要だよ、香澄。誰もいないと思って油断してると、いるからね」


気をつけなね?

と言われても、会話を聞かれてしまったあたしは恥ずかしさのあまり、プチパニックを起こす。