他校の君。【完】




ー…
………


一臣君が帰ってから少し。

もう既に一臣君がいない方向に向かってあたしは『ほぅ』と小さく息を吐く。

帰って行った後ろ姿も格好いいなんて、どこまで素敵すぎるんだろう。


「…明日」


迎えに来てくれるんだ、

口に出して呟いてから、口元が緩みそうになるのを必死で抑える。

だって一人でニヤニヤしてたら気持ち悪いでしょ?

なのに、


(どうしよう…)


緩んじゃうのが止まらない。

我慢出来ずに、へらぁ~っとしてしまうと、


「香ー澄っ」


背後から勢い良く誰かに抱きつかれた。


「きゃっ」


完全に油断していたから、凄く驚いちゃって思わず声を上げてしまう。

反射的に抱きついて来た人を確認しようと振り向いたら、


「お、お姉ちゃん…」


お姉ちゃんが、にっやぁ~、とした表情を浮かべていた。