Side 香澄
「取られたくないって、だから俺のじゃねぇだろ」
あたしから視線を逸らした一臣君がボソリと小さく呟いた。
違うと言ってくれたから、あたしが原因じゃないって事が分かってホッとしたけれど、本当にどうしたのかなぁ?
また首を傾げてしまうと、
「あれ、雪は?」
千尋君にまた出会った。
彼女さんの指に自分の指を絡めるようにを繋いでいる千尋君に一臣君は不機嫌そうに答える。
「一緒な訳無いじゃないですか」
「不機嫌だな」
「……別に不機嫌じゃないです」
「不機嫌だろ」
「違いますよ」
「不機げ…「千尋、杉沢君が可哀相でしょ」」
また千尋君が不機嫌って言おうとしたら、千尋君の彼女さんが千尋君を止めた。
そして、彼女さんは一臣君をジーッと見つめた後、比べるように千尋君を見つめる。
「似てるよね」
「何が」
ボソリと呟いた彼女さんに千尋君は不思議そうに聞き返す。
「嫉妬心むきだしな所とか」
「……は?」
何だソレ。と返す千尋君にあたしも不思議に思う。
嫉妬心むきだしって、一臣君は今、嫉妬してるって事?
だから不機嫌そうなの?
…でも、何に嫉妬してるんだろう?

