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「あいつ、香澄の何」
『香澄は今、俺とデート中だから』
そう言った一臣君があたしを連れて雪から離れたのはさっきの事。
あたし達を引き留めようとした雪を一臣君は無視して人混みに入ってしまった。
人混みをスルスルと摺り抜けて、武君の所の屋台に戻った一臣君は武君と二言三言交わしてからまたあたしを連れて歩き出した。
歩きながら不機嫌な声を出した一臣君。
さっき抱きしめられた事を意識してドキドキしたままのあたしは、不思議に思いながらも一臣君を見上げる。
「海谷 雪って言って、あたしの……!?」
あたしの幼なじみ。
そう言おうとしたら、急に腰を引き寄せられた。
どうやら誰かにぶつかりそうになってしまったらしい。
「…あたしの?」
一臣君の腕が腰にある事に動揺しまくりのあたしに一臣君は続きを促す。
「お、幼なじみ」
だから、続きを言うと
「ふーん」
何故か素っ気ない相槌を返された。

