他校の君。【完】




「香澄にそんな顔させるようなヤツに奪われたくない。…ずっと側にいたのは俺だろ?」

「そ、そりゃあ」


雪は幼なじみだから、一臣君より一緒にいるけれど、


(奪われたくない…?)


何でそんな事思うの?


「香澄、俺は…」


雪が真剣な表情を浮かべたと思ったら、少しだけ強く引っ張られて、抱きしめられてしまった。


「………っ」


雪があまりにも近い。

驚いてしまったあたしの頭が真っ白になってしまう。

そんなあたしの頭に雪は手を添え、さらに距離を縮めようとする。


(え?え?)


どう言う事?

何で雪がこんなに近いの?

混乱してしまったあたしと雪の吐息が微かに交じる。

後少しでキスしちゃうようなこの距離にさらに混乱してしまうと、




「触んな」


少し息が荒い声と共に、大きな手があたしと雪の間に入って来て、あたしの唇を塞いだ。