他校の君。【完】



あたしの返事も聞かずにずんずんと歩いて行くのは、雪。

幼なじみで小さい頃から一緒にいるから雪の後ろ姿なんてすぐ分かる。


「…雪!?なんでっ」


なんでここにいるの?

雪の背中が怒ってるように見える。

今の状況に付いていけずに困っちゃって、一臣君の方を振り返ったけれど、雪が歩くのが早過ぎて既に見えなくなってしまっていた。


「『なんで』はこっちのセリフ」


人がいない方向へ暫く歩いてから立ち止まった雪は、かなり不機嫌な顔で振り返った。


「何してんの?」

「……え」


何してんのって、どう言う意味?


「なんで家にいなくて、あいつなんかと祭り来てんの?」

「……だ、だって」


一臣君と来たかったんだもん。


「可愛い格好してんのは、あいつの為とか言う訳?」

「……雪?」

「なのに、あいつは香澄にそんな傷付いた顔させた訳?」

「……ちが「違わないだろ」」


否定しようとしたら静かに怒られてしまった。