Side 香澄
『付き合ってません』
はっきりと答える一臣君に、ますます心が痛くなる。
付き合ってないんだから、一臣君がそう答えるのは当たり前の事だけど、
そんなにはっきりと言われると傷付く。
一臣君には好きな人がいて、あたしはこうやって全く恋愛対象として見られてない。
…告白したら、少しぐらいあたしの事、恋愛対象として見てくれるかなぁ?
フられるのは凄く怖いし、告白する勇気は無いけれど
このままだと、あたしの恋は一生気付いてもらえないかもしれない。
頑張ったら告白出来るかなぁ?
一臣君をチラリと見ると、
バチリとぶつかった視線。
何故か驚いたような表情をした一臣君が、
「どうし「香澄!」
何かを言おうとした瞬間、また誰かに呼ばれてガシリと手首を掴まれた。
「行くぞ」
「……え」
突然の事に驚いている間にあたしは引っ張られてしまった。

