きっと。きっとあの3日間は長い人生からすればほんの少しの時間に過ぎないかもしれない。

でも私にとってその3日間はとても濃くて切なくて、でも幸せな大切な時間だった。

すべての始まりは高校一年のバレンタイン。

習いごとの5つ年上のヒロ先輩。

みんなからも人気があるくらいイケメンで、みんなの憧れの的だった。

そんな先輩に恋をした。

そしてそのバレンタインデーに告白した。

チョコレートに手紙をつけて。

もちろん結果は×。彼女がいるんだって。まぁまともにしゃべったこともないからしょうがないか…。

すごく好きだったけど彼女には勝てないな。

そんな感じで失恋した。

あれから5年。

未だに習いごとは続いているのでたまに顔を合わせている。

なんにも変わらないまま。
私は社会人になった。

あの日から5年間彼氏も出来た。それなりに幸せだった。ヒロ先輩が忘れられないなんてコトはなかったと思う。ただたまに思い出すとまだ好きかもって気持ちになってっていう繰り返し。

でもいつもココロのどこかには先輩が居たのかも。

今思えばこの状態で居るほうが幸せだったかもしれない。

ある日突然ヒロ先輩からメールがきた。 

あれから何回かメールすることはあったけど先輩からメールが来るのは初めてだった。 

内容を見る前なのにドキドキして嬉しかった。 

『合宿(習い事の)行くんだってね!先生に聞いたょ』
なんでこんなこと急に言うんだろ?私は思った。 

だけど先輩からメールが来たことが嬉しくてちょっぴり期待しちゃったりしてるうちに疑問は消えた。 

ただ先輩からのメールが待ちどぉしくて楽しかった。 
話題が誕生日になって、私の誕生日が近いコトをしった先輩は、 

『合宿前にお祝いってコトでどっかで飲もうか?』 

嬉しかった。飛び上がってよろこんぢゃうくらい嬉しかった。 

もちろん即OKの返事をした。 
場所は渋谷。 

私は多分派手なタイプではないので渋谷はあまり行ったことのない場所だった。