太陽も、季節によって光を変える。
春は柔らかく、すべてを包んでくれる。
夏は肌を刺し貫く。
秋は黄金色に景色を写す。
冬は何もかもを冷たいガラスにかえてしまう。

一瞬ごとにそれらは組み合わさり、二度とは同じ表情を見せない。

それに影響を与えることは、不可能だ。

自分がそうしたいように、それらを勝手に変える権利は一切ない。

アキヒロ。
すぐそばに、手の届く距離にいるのに、空とまるで同じだ。

もちろん人間だから、話しかければ答えてくれる。
笑ってくれることもある。
でも、触れたこともない。
気持ちのかけらも届かない。

しゃがみこんで、両手で顔を覆う。