「ま、入ってよ! はいみんな、お待たせっ」

調子のいい陸に続いて入って来たのは、前髪を長く伸ばした、栗色の髪の、猫背のオトコ。
ストールを巻いて、ジレをコーディネートして来る辺りは、美容師の陸の友達らしくオシャレ好きなのかという感じはする。
が、それだけだ。
前髪に隠されて、ちらりとしか見えない目は何の印象も与えないし、猫背のせいで、せっかくの長身も生かせていない。
要は、普通。

「じゃね、うちのメンバー紹介するね。端っこから朱、柚莉、シュン」

彼は軽く一人一人に会釈をする。

「アキヒロ、です」

彼はそれだけ言うと軽くもう一度頭を下げた。

「とりあえず、今日はよろしく。早速合わせてみていいかな?」

シュンがそう言いながら差し出した右手を握り返しながら、アキヒロはうなずく。


そんな、素人のアキヒロがBurmeseに加入することになるのは、そのほんの数時間後のことだった。