一方、
(何ておぞましい……!)
明かりの消えた部屋の中、クレアはベッドに入ってもその目を閉じず、犯した過ちが頭を巡る。
(血の繋がりの事は言ってはいたけれど、まさか……兄弟だなんて……)
―――正気なの?
眠れる訳もなく目はランランと冴え渡る。
(今夜はきっともうアイツは来ない……)
何故か暗闇の中、はっきりと部屋の隅々まで見えていた。
(でも……明日は……?)
またサイファがこの部屋を訪れたら相手をさせられる。
そんな罪深い事……
もう二度と……!
―――……逃げよう!
あれ程、無気力だった二、三日が嘘のようにクレアは急かされるように思い立った。
そして今ならそれがやり遂げられるような自信が、何故か、あった。
認めたくはないが、生血を飲まされているせいか、体に力がみなぎっている。
それにやけに夜目が利く。


