「あの時、素早くとどめを刺すべきだった……」
忌まわしい化け物の口がクレアの純血を求め、名を呼ぶのは耐え難い。
サイファは素早い動きでシアンに斬りかかるが、シアンの硬質化した厚い皮膚は剣を通さない。
フォルムこそ美しくないが、その身体は手当たり次第に防具を重ねたかのように耐久にすぐれていた。
シアンはサイファの相手を真面目にするよりも、絶えず、建物の中に目をやりクレアを探しているようで、
それがまたサイファの怒りを増長した。
そんな二人の争いを屋敷の者達が邪魔することも出来ず見守る中、
街では騒ぎが起きていた。


