「そうだな。時期を見て手を借りるかもしれん」
しかし、念には念を。
一応、約束は取り付けた。
そして、自分の前から退出する異形の兄弟を目で追った。
いつまでも若く
華やかで美しい……
多くの人間は、彼らを羨望の眼差しで見ることだろう。
しかし、どこか儚げで排他的な彼ら、ヴァンパイアは
少しも幸せそうには見えない。
(我は人でよい……)
地を這い互いを貶め、欲を貪る。
活気溢れる人生を謳歌するのだ。
肘を付き、どこか突き放すように二人を見送った。
リドル家へ向かう馬車の中、クレアは緊張で少しも寛げなかった。
いよいよ復讐の時はきた。
いつ、サイファに弾丸を放とうか……。
そんな事を考え、緊張の面持ちのクレアに、目の前に座るサイファは砂糖菓子を取り出し、一つ摘まんでクレアの口に入れた。
口いっぱいに柔らかい甘みが広がる。
(あたしが黙り込んでいたから気を使ったのかな?)
サイファを見ると優しく笑いかけられ、クレアは微笑みを返しながらも悲しくなってしまった。


