「ねぇ、マイメイ。
……あたし達、ヴァンパイア……って、とっても丈夫な身体をしているんでしょう?」
サイファが、領主と話をしている間、自分の機嫌を窺いにきたマイメイにクレアは尋ねる。
「その通りですわ、クレア様。
その辺りの兵士よりは幾分か丈夫にできております」
「まぁ!兵士よりも……?
そんな実感は、あたしには全然ないわ」
用心深く、自然に振る舞う。
「……でも……」
「……いくらヴァンパイアと言えど、抗えないものはあるわよね?」
クレアとマイメイの瞳がかち合った。
マイメイはじっとクレアを見つめ、その瞳は何を思っているのか分からなかった。
「……そうですわね」
幾分、間をおいてマイメイが口を開く。
「私達も不死身ではありませんから、普通に剣で切られ大量に血を失えば息絶えてしまいます。
ただ、人の二、三人くらいでは手こずると思われますわ」
マイメイによれば、異形化したヴァンパイアの皮膚は硬質化し、剣も中々突き刺さらないとか。
それに動きも鋭敏だ。


