「ランディ、若い同族を何人か連れて行くよ」
微笑みを絶やさず男が話かけ、部屋に立つ者達をゆっくり見渡たす。
マイメイは男が自分のところで一旦、目を止めたように感じた。
うつむき慟哭していたラフランディは、その言葉にピタッと身体を止めた。
「サ……サイファ様……」
「20年前の火事でリドル家は過半数の親族を失った。
僕が今、各国に散らばる同族のもとを回っているのは、リドルの再建と復興の為だ」
「ですが、坊っちゃま……あの、火事、は……、」
言葉を返すように見上げたラフランディを、サイファはスッと表情を無くした瞳で見下ろした。
「……お前は、屋敷で僕とクレアを同様に扱う唯一の者だった」
「“だから”生き延びる事が出来たのに…………その命……、粗末にする気?」
冷たいサイファの瞳にその場にいた誰もが固唾を飲んだ。
ラフランディは口を閉ざし、二度とサイファの言葉に口を挟む事はしなかった。
そうして
マイメイと後、1人草原で生まれた少女が、リドル家へ奉公に出ることになったのだ。


