「ギャァアアアアア!!!」
シアンの割れるような悲鳴が静かな庭に響いて、
クレアの髪、顔、服に飛び散る 赤い飛沫。
―――何ガ起キタノ？
あまりにも非現実的な事に状況を把握出来ないクレア。
肩の裂けた崩れゆくシアンの後ろには、同じように鮮血を浴びた男が優雅に微笑を浮かべていた。
作業が終わったかのように男が剣を払うと、付着したぬめった血が庭の草花に飛び散る。
「あ、」
クレアの声が漏れた。
赤、赤、赤
手入れされたこじんまりとした庭は赤く染まった。
染めているのは同居人のシアンの血。
「キャァアアアアアァ―!!」
ナニ!?なに!?何!?
ドウシテ!!
ひとたび口を出た悲鳴は止まらず。
クレアは叫び続けた。
男はその悲鳴に動じることなくまるで質の良い音楽でも楽しむかのように一旦目を閉じ聞き入った。
