【沙亜耶side】


あっという間に放課後になった。


はぁー。
今日一日あたし、何してたんだろ?

頭の中は、ホームで出会った人でいっぱいだった。


帰るか…

集中力がなくなったあたしの体はふわふわとしていた。


「あ、沙亜耶!」

美亜があたしに声をかけた。
が、あたしはまともに答えられなかった。

「ふぁ-い。なんでしょう」


「沙亜耶、大丈夫?」


美亜は心配そうにあたしの顔を覗いた。



「へーき、へーき。」


あたしは軽くかえした。


「まったくー。あぶなかっしいなぁ。あ、頑張ってね!朝の人にちゃんと話しかけなよ!じゃあね!」


「うん、がんばるー。ばいばい!」


さてと…駅に行かなきゃ。


緊張のせいで重いような、ふわふわしたようなあしどりであたしは駅へと向かった。