猫耳姫とメガネ王子

あれは完全に絡まれてるな。


そう理解すると同時に、ふつふつと怒りがこみ上げてくる。


それは男子生徒に対してでもあり、唯に対してでもある。


どうしてこんな白昼堂々と迫られて助けを呼ばないんだ?


血が上っていて、唯が怖くて口を聞けないことなど、考えもしなかった。


俺は唯に絡んでいる奴らの背後にカツカツと近寄り、その薄汚い後頭部にドカッと蹴りをお見舞いしてやった。