猫耳姫とメガネ王子

昼食の時に会ってマスクだけは渡しておいたけれど――どうしても気になった俺は、

上りかけた階段の途中で、足を止めたんだ。


なんだか、嫌な胸騒ぎがする……。


ザワザワと音を鳴らす胸に、俺は来た廊下を引き返したのだ。


すると――。


案の定、数人の男たちの間から、小さな体が見え隠れする。