猫耳姫とメガネ王子

俺は猫になる以外にもう1つ、この毛の色にもこだわりを持たせたのだ。


それは、薬品を飲んだ人間の体や心が綺麗であるかどうかで、色が変わってくるというもの。


つまり、真っ白な耳になった唯の体はまだ――。


そこまで考えて、バクバクと痛いほど鳴る心臓に呼吸も荒くなってくる。


まさか、よくダーツバーに行って男を遊んで帰ってくる唯が、経験していないだなんて、俺でも考えが及ばなかった。


申し訳ないが、よくて数人経験済みの茶色くらいだと思っていたのだ。