「だって……怖かった……から」


声なんて出なかった。


まるで、自分が自分じゃないと感じるくらい、なにもできなかった。


だけど今は、こんなに怒っている壱が、怖い。


「怒って悪かったよ……。今日は2人で早退しよう。な?」


「んにぃ……」