猫耳姫とメガネ王子

連れ去られるとか、そんなこと――。


と、周囲を見回してみる。


しかし、今まで何人も生徒がいた廊下には、私と男子生徒だけが取り残されている。


うそっ!


サーッと、血の気が引いていくのがわかる。


無理矢理外へ連れ出されるなら、廊下のどこかで先生や生徒とすれ違い、助けてもらえるかもしれない。


だけど……。