猫耳姫とメガネ王子

そんな時――「唯ちゃん?」と、声をかけられて私は立ち止まった。


窓の近くに座って数人の男子生徒がたむろしている。
その1人に、視線をうつした。


茶髪で口ピアスをあけていて、前歯数本がヤニで黄色くなっている。


「あ……」


そういえば、1度だけ一緒に遊んだ事がある人だ。


と言っても、私が鈴と昼食を食べている時に強引に割って入ってきて、勝手に話しはじめたダケのヤツ。