「悪いけど、それ無理」


突然、座っていた後方からそんな声が聞こえてきて、私と鈴は同時に振り向いた。


そこに立っていたのは――ヒョロリとした長身の、メ
ガネ男子。


つまり、私の幼馴染の壱だ。


「なによあんた」


幼馴染だけれどお隣さんというだけで、ハッキリ言ってここ数年まともな会話なんてしていない。