猫耳姫とメガネ王子

「見ろ、耳が治ってる」


そう言って鏡を手渡すと、唯は驚いたように目をパチクリさせて、「壱、研究に成功したの?」と、聞いてきた。


「いや、俺はまだ何も――」


首を振って否定してから、ふとある考えが浮かんだ。


それは、唯のとった行動。