猫耳姫とメガネ王子

☆☆☆

俺は、地下室がこんなに寒々しいものなのだと、初めて実感した。


何年も前から、毎日来ているこの場所に、少しの恐怖さえ覚える。


今までは唯をどうにかして自分のものにしたくて必死だったから、気がつかなかったのだ。


薬品の匂いも、灰色の壁も。


こんなに異質に感じることは初めてだった。