「んにぃ~……熱い」


「大丈夫か、唯?」


真夏に防寒具を身に着けて歩いているようなものだ、定期的に水分補給をしないと学校までの道のりで倒れてしまう。


「あれ? 唯と壱君?」


聞きなれた声がして、私は振り向く。


そこには短かったスカートを膝丈にして、派手な髪型からキュッとポニーテールに変えた鈴が手を振っていた。