猫耳姫とメガネ王子

「どけろ」


男の頭を近くにあった石で殴りつけた壱がそう言い、男の体を横へ押す。


すると、体はグラリと揺れて、そのまま地面に転がってしまった。


あまりに突然の出来事に、目の前に壱が来ても私は気付かなかった。


「なぁ、頼むから――」


壱に手伝ってもらいながら体を起こし、口の中の布を取りだす。