何度目かの呟きの時、気付けば私は商店街の近くまで足を運んでいた。


商店街の裏側は、まだ明々と電気のついている店ばかりで、あまりいい雰囲気とはいえなかった。


私は商店街の入り口まで来て、足を止める。


壱の家の方角を振り返ってみるけれど、人影はない。


「追いかけてもくれないんだ……」