猫耳姫とメガネ王子

胸が張り裂けそうに痛い。


大きなナイフでえぐられたように、体中の痛みという痛みがそこへ集中する。


うずくまり、もだえ苦しむ事ができたらどれほど楽だろう?


だけど、唯のその涙の根源を作ってしまった俺には、被害者ぶる資格さえない。


「唯――」