猫耳姫とメガネ王子

壱があの時、私をお姫様抱っこで運んで行ったから、かけ忘れていたのだろう。


重たい扉を開けてそっと中を覗き込み、手探りで電気をつける。


パチンッと言う音がして数秒後、やる気のない電球が辺りを照らし出した。


「眩しい……」


光に目を細めつつ、私は壱のいたテーブルへと歩いていく。