猫耳姫とメガネ王子

ピクピクと髭を動かしながら、壱が起きる前にこの姿から戻らなければと焦り始める。


だって、また猫になったなんて言ったら、壱に迷惑をかけてしまう。


朝になれば学校に行かなきゃならないのに、髭を生やしたままだと外に出る事もできない。


「ごめんね、壱」


私は眠っている壱にそう声をかけて、1人で地下室へと向かった――。