「ほら、早く」


唯をせかして、抱っこしたままの状態でドアを開けてもらう。


俺は部屋に入ると足でトンッとドアを蹴って閉め、そのまま唯をベッドの上に寝かせた。


「壱……」


この状況がようやく飲み込めたのは、唯は真っ赤な顔をして、馬乗りになる俺を見上げていた――。